祝 初ホノルルマラソン全員完走 !

 

13日午前5時(日本時間 14日午前0時)にスタートした2009年 ホノルルマラソンが終了しました。

 

同行したホノルルマラソン講座主催者の田中俊夫教授からのメールによりますと、快晴で気温が28度に上がり、暑さとの戦いだったそうですが、参加者55名のうち1名が足のケガで途中棄権した以外は、初マラソン、初ホノルルマラソンに挑戦した第8期生54名は見事に完走したとのことです。

 

初マラソンを完走されたみなさま、誠におめでとうございます。フルマラソンは自分自身への挑戦ですので、初マラソン完走は大きな自信になることと思います。

 

また、思わぬ足のアクシデントで途中棄権されたN氏は残念な思いをされたことと思いますが、体調不良の際にリタイアする勇気も極めて大切ですので、今後のご活躍に期待しています。

 

田中先生ほか同行されたスタッフの方々、ご苦労さまでした。

 

12月15日付けの徳島新聞朝刊にも写真入りで掲載されましたので、リンクしておきます。

http://www.topics.or.jp/localNews/news/2009/12/2009_126084057448.html

 

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「ホノルルマラソン直前・直後の健康管理」講義要旨(3)

 

3.  レース直後の注意

 

フルマラソンや100kmマラソンなどの長距離走のあと下肢の筋肉痛をきたし、数日から時には2週間以上も続くことがあります。走行前後で血液検査をしてみますと、CPK(クレアチンフォスフォキナーゼ)、LDH(乳酸脱水素酵素)、GOT(オギザロ酢酸転換酵素)など筋肉に含まれる酵素や、Mb(ミオグロビン)、FFA(遊離脂肪酸)、WBC(白血球)、LA(乳酸)などの数値が下肢筋へのダメージに比例して増加します。

 
フルマラソン完走後の各指標の経時的な変化をみますと、フルマラソン後の筋肉疲労の回復には少なくとも1週間はかかりますが、下肢のケイレンがあるような場合は、回復に2週間以上かかることもあります。


下肢の筋肉障害のほか、内臓への血流量の減少による胃腸の疲労や、腎臓から蛋白尿や血尿が出ることもあります。また脱水状態に加えて、肝臓や筋肉のグリコーゲンがほとんど枯渇していますので、レース後のアフターケアは極めて大切です。


ではどうすれば早く疲労がとれるのか、いくつか気が付いたことを列挙してみます。

 

1) 水分と塩分の補給
  発汗のために水分と塩分が失われていますので、走行直後は十分に補給してください。


2) 栄養補給 
  フルマラソン後は肝臓と筋肉のグリコーゲンが枯渇状態になっています。しかし、走行直後は胃腸の消化力が減退していますので、先ず消化のよい麺類などで炭水化物を補給しましょう。筋肉へのダメージを早く回復させるために、プロテインやアミノ酸も有効です。


3) ビールは何か食べてから
 走行後のビールは格別おいしいのですが、空腹時に飲みますと残り少ない肝臓グリコーゲンが一挙に消費されて急激に低血糖症状に陥ることがあります。私も三度目の青梅マラソンを走ったあと食事の時間がなかったため、缶ビールを飲んで立川行きの電車に乗った直後に冷や汗と嘔気に襲われました。すぐに低血糖症状であることが分かりましたので、次の駅で下車してチョコレーを買って食べたところすぐに気分がよくなりました。フルマラソン後のアルコールは、何か糖分を補給したあとに飲むのが賢明です。


4) クーリング、ストレッチとマッサージ
   長距離相互の足の筋肉は炎症を起こして硬くなり、関節もなめらかさが失われていますので、ホテに帰れば20分ぐらいはプールか水でクーリングをして、しっかりストレッチをして下さい。ぬるめの風呂に浸かってマッサージをするのも、疲労回復に効果的です。


5) ジョギングや水泳
 何もしない完全休養よりも、むしろ軽いジョギングをすることで筋肉がリラックスして早く疲れがとれます。筋肉痛が強い場合は水泳や水中歩行もお勧めです。水泳は伸展筋を使いますので、ストレッチ効果があります。


6) 睡 眠
  睡眠は、休養・栄養とともに疲労回復の三本柱のひとつです。少なくとも7~8時間前後の睡眠をとるようにすれば、翌日にはかなり疲労がとれて、カピオラニ公園まで元気に完走症をもらいに行ける筈です。


7)足の筋肉痛が強い時は
   フルマラソン後は大腿部の筋肉痛のために、階段が前向きに下りられないことがあります。私も大阪の長居公園で初マラソンを走ったあと地下鉄の階段を下りることができませんでしたが、ベテランの方に教わって後ろ向きに下りると意外と楽に下りられることができました。もしそうなった時は、試してみて下さい。  (2009.11.28)

 

ホノルルマラソン講座8期生のみなさまの完走をお祈りします!

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「ホノルルマラソン直前・直後の健康管理」講義要旨(2)

 

2.  レース当日の注意

 

  私はホノルルマラソンの経験がありませんが、ホノマラ講座も今年で8年目を迎えましたので、これまでの経験者からウエアや持参品、現地の食べ物など色々教えてもらうと、とても参考になると思います。私はごく一般的な参考事項を列挙してみます。

 

1)スタートは日本時間の14日午前0時
   日本とホノルルの時差は19時間です。現地時間でスタートは12月13日午前5時ですが、日本時間では12月14日午前0時になります。眠いかも知れませんが、3日も居ますと時差ぼけも解消して体内時計もリセットされますので、心配ありません。
  ただ、現地時間の午前3時前には起きなければなりませんので、前夜はなるべく早く寝て睡眠時間を確保して下さい。時計のリセットも必要ですが、大抵のスポーツ用時計はWORLD TIME が内蔵されていますので、ワンクリックでホノルル時間に変更できます。
  もし時計にWORLD TIMEが内蔵されていなければ、「5時間足して、前日」がホノルルの時刻です。逆にホノルル時刻に時計を合わせている場合は、「5時間引いて、翌日」が日本時間になります。呉々も午前2時や3時に家族に電話して、驚かすことがないよう気をつけて下さい。


2)現地の天候と気温
  インターネットで調べますと、2002年から2007年までの6年間の気温は、午前5時が19~24度、午前11時が23~27度。天候は晴れ時々曇が多く、2007年はスタート前とスタート後に雨が降ったそうです。午前11時はスタート6時間後ですが、それ以上に所用時間がかかる場合は、もう少し気温が上がるかも知れません。


3)水分と塩分補給を十分に
   気温が高めですので、スタート前と途中では十分に水分補給をして下さい。汗の量にもよりますが、足のケイレンを防ぐために塩分補給も大切です。南阿波サンラインマラソンで塩を置いていなかったために35km付近で足がケイレンしましたが、家内に塩昆布をもらって治った経験があります。四万十川100kmマラソンの時には塩昆布をポシェットに入れておき、重宝しました。


4)フルマラソンンの消費カロリー
   私がフルマラソンを走った時のエネルギー消費量を計算しますと、5分30秒ペースの場合は2,068Kcal、6分ペースの場合は1,925Kcalです。体内に蓄えられているグリコーゲン量は、体重70kgの人で約470g(肝臓に70g、筋肉に400g)と言われていますので、体重が63kgの私の場合は約423gになります。
   グリコーゲン1gは約4kcalなので、私の体内には約1,692kcalの蓄えがあることになります。従って、朝食で500kcalほど摂取すれば途中のエネルギー補給は不要ということになります。しかし、35km付近であめ玉1個(約30kcal)食べるだけでも足が軽くなるのは不思議です。


5)携帯品
  何度かフルマラソンを走りますとポシェットを持たなくなりますが、初マラソンの時はポシェットを腰に巻いて走る方が安心です。入れるものは、バンドエード塩昆布Power Barゲル(1パック 120kcal)などの栄養補給剤、ビニール袋の底と両脇を切り抜いたもの(雨合羽と防寒用に軽くて便利)、小銭(ホノルルに自動販売機があるかどうか知りませんが、四万十川100kmマラソンでは役立ちました)、スペースがあれば携帯電話(万一の連絡用)、消炎スプレー靴下の替え(雨に濡れると足にマメができて走れなくなることがある)などです。


6)朝は余裕を見て早起きを
 マリオットホテルはゴール地点のカピオラニ公園から近いようですが、スタート地点のアラモアナ公園までは遠いそうですので、余裕をみて早めに起きましょう。朝食はしっかり食べて、排便も忘れずに。


7) とにかく完走を目標に
  42.195kmは大変な距離です。30kmまではかなり楽ですが、下肢の筋肉疲労に加えてグリコーゲンが枯渇してくる35kmからがフルマラソンの正念場です。初マラソンの場合は35kmあたりから、これが自分の身体かと思うほど苦しいことがあると思います。しかし、そこからが自分への挑戦です。
 幸いホノルルマラソンは制限時間がありませんので(9時間を過ぎると歩道を通らなければならないかも知れませんが)、歩いても休んでもかまいませんので、とにかく完走・完歩を目指して下さい。 初マラソンの完走は、大きな自信になると思います。
  ただし、あくまで健康のための走りですから、もし体調に異変を感じた時は即座に、いさぎよくリタイアして下さい。 その勇気も大事です。
 (2009.11.28)

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「ホノルルマラソン直前・直後の健康管理」講義要旨(1)

                            
12月13日に開催されるホノルルマラソンの2週間前になり、徳島大学開放実践センターで最後の講義を行いました。今年は52名の受講生の方々が完走を目指して参加予定とのことですが、都合で今日の講義を欠席された方もおられると思いますので、レース直前、レース当日、レース直後の注意事項を3回に分けて掲載します。

 


 

1.  レース直前の注意

 

いよホルルマラソン2週間前になり、期待と不安が交錯していることと思います。レースで今までのトレーニング以上の結果を期待するのは無理ですが、体調を整えて万全の体制で臨めば、意外な好成績が出るかも知れません。新型インフルエンザも流行っていますので、これからの2週間は無理をせず、体調管理に努めて下さい。

 

1) 睡眠と休養
  疲労が蓄積しますと不眠症状が出ることがあります。その場合は焦る気持ちを抑えて、レース直前は走行距離を減らしましょう。その方がむしろ好結果が期待できます。

 
2) 起床時脈拍数
  起床時、寝たままで脈拍数を測ってみてください。普段より10拍/分以上も多ければ体調が万全とは言えません。疲労か、寝不足か、もしかしたら飲み過ぎかも知れません。


3) 起床時体重
  練習不足ですと体重が増えます。練習量に比べて食事の量が少なかったり、胃腸障害があると体重が減ります。自分の理想体重が続いていれば体調は万全と言えます。


4) 精神・心理状態
 悩みや心配事があると、とてもレースに集中できません。今の世のなか多少のストレスは避けて通れませんが、早く解消してスッキリした気分でレースに臨みたいものです。

 
5) 貧血検査
  運動選手に特に多いのが鉄欠乏性貧血です。食欲も普通なのに疲れやすい、坂道で息切れが強い場合は貧血検査を受けましょう。血液中のヘモグロビンが男子で15g/dl、女子で13g/dlより少なければ酸素運搬能力が低下してパフォーマンスに影響します。血色素が正常範囲でも、血清鉄とフェリチン(貯蔵鉄)が不足しますと前貧血状態ですので、鉄分の多い食事をとるようにしてください。


6) 心電図検査
  レース中の事故で最も多いのが、心臓発作と脱水による熱中症です。トライアスロンは運動負荷時の心電図検査が義務づけられていますが、50歳を過ぎますと虚血性の心臓病や不整脈が出る人も少なくありません。ホノルルでは発汗量が多いために循環血液量が減少し、血圧変動も大きくなりますので、心臓に不安のある人は念のために血圧測定や心電図検査を受けておきましょう。


7) 風邪に注意
 走り込みやレース出場で疲労がたまると、免疫機能が低下して風邪をひきやすくなります。大会直前に風邪をひきますと、8ヶ月間のトレーニングが水の泡になります。予防法としては、規則的な生活とビタミンCやアミノ酸の摂取が有効と言われています。新型インフルエンザも流行っていますので、風邪とインフルエンザには呉々も気をつけてください。

8) カーボローデイングの注意
  レースの1週間前から3日間は蛋白質の多い食事をとり、4日目から高炭水化物食に切り替える「カーボローデイング」が有効と言われています。一流の選手の場合は常識ですが、初心者がレース直前に慣れないことをしますと、かえって下痢などの胃腸障害をおこすことがあります。皆さんはタイムよりもフルマラソンの完走が目標ですから、普通食のままにして直前数日間に炭水化物を多めに摂るようにする方が無難だと思います。
(2009.11.28)

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「危険防止のための基礎知識」講義要旨

 

7月11日に徳島大学解放実践センターの講座 「ホノルルマラソンを走ろう!」 で、2回目の講義を行いました。今日、都合で欠席された方もおられると思いますので、講義要旨を掲載しておきます。ランニングは身体によい効果を与える反面、気をつけなければならい点もありますので、ご注意をお願いします。

 


    
 Honolulu Marathon 2009  「危険防止のための基礎知識」 講義要旨

 

高血圧・糖尿病・肥満などの生活習慣病予防に、ジョギングや水泳などの有酸素運動が効果的であることが知られている。しかし、一方で運動中の内科的な突然死や整形外科的なランニング障害も起こりうるので、ランナーとして心がけが必要な危険防止のための基礎知識について概説します。

 

1)スポーツ中の突然死数と原因
○スポーツ中の突然死数
 2007年の日本人の総死亡者数は1,108,280名で、そのうち57.6%を癌・心臓病・脳血管疾患(三大成人病)が占めている。2006年には5位の『不慮の事故』で38,270名(3.4%)が亡くなっているが、このうち「自動車事故」が最多の10,028名(1日平均27人)である。一方、1984年から1988年まで5年間のスポーツ中の突然死は624名(年平均125名)で、このうちランニング中の死亡が最多の161名(25%)であった。

 

○スポーツ中突然死の原因
 上記624名の死亡原因を調べてみると、心臓病542名(86.9%) 、脳血管疾患46名(7.3%)、溺死16名(2.5%)、熱中症6名(1.0%)であった。つまり、病気としては心臓病が圧倒的に多く、次いで脳卒中であり、熱中症にも注意が必要である。

 

2)心疾患の種類と予防法
○心疾患の種類
 35歳を境にして大きな特徴がみられる。35歳未満では肥大型心筋症と特発性左室肥大が死因の64%を占めているが、35歳以上では冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)が80%を占めている。従って、若年層では肥大型心筋症、中高年層では冠動脈疾患のチェックが大切である。

 

○冠動脈疾患の危険因子
 冠動脈疾患の危険因子は、 1) 高血圧 2) 高脂血症3) 糖尿病4) 喫煙5) 年齢(男子≧40歳、女子≧50歳) 6) 家族歴7) 心臓病の既往歴、である。もしこれらの危険因子が一つでもあれば、運動を始める前に予めメディカルチェックを受けて、自分の健康状態に応じた運動強度を設定するとともに、ランニング開始後も定期的な健康診断が必要である。

 

○心臓のメディカルチェック
 安静時心電図に少しでも異常があれば1) 運動負荷心電図検査(狭心症がないか、不整脈がないか、運動を負荷しながら調べる)。 2) 心臓超音波検査(心臓の形の異常や弁膜症がないか、超音波で調べる)。 3) 24時間心電図検査(不整脈の頻度や、虚血性変化の有無を調べる)。 4) 冠動脈造影検査(冠動脈起始部の異常や、冠動脈の狭窄がないか調べる)ことが大切である。

 

○心疾患の予防法
 1)年に一度は健康診断を受けて、 1)  心電図に異常がないか、 2) 血圧は正常か、3) 貧血はないか(ランナーには鉄欠乏性貧血が多い)をチェックする。2)レース時には、 1) 体調の悪いときは中止する、 2) マイペースを守り決して無理をしない 3) 無理なスタートダッシュやラストスパートを避ける4) 身体に異常を感じたらすぐに中止する。

 

3)熱中症の種類と予防法
○熱中症の原因
 体温調節のために体重の2%を超えるような発汗がみられるスポーツ活動では、積極的な給水をしなければ、脱水による血液の濃縮のために循環不全を起こし、酸素や栄養素の運搬あるいは体温調節にも重篤な障害を生じて、基礎疾患のない健康なランナーも熱中症を起こす場合があるので注意が必要である。

 

○熱中症の種類
 1) 熱痙攣(水分のみ補給して塩分をとらなければ、筋肉痛や筋肉のケイレンを起こしやすい)、 2) 熱疲労(発汗がみられ、体温上昇が僅かな中等度障害。放置すれば熱中症に移行する)、 3) 熱射病(発汗がみられず、体温が40度以上になり、中枢神経障害を伴う高度な障害)の三種類があり、この順番で症状が重くなる。高温環境下の運動で給水が不十分なための脱水症が原因であるが、横紋筋融解症を起こして乏尿・無尿・ミオグロビン尿がみられる場合は、腎不全・肝不全・血管内凝固症候群など多臓器不全を起こして死亡率が高くなる。

 

○熱中症の予防法
 1)  気温が28度を超えれば要注意2) こまめに給水をして、休憩をとる。体重が4%以上減少すれば熱中症の危険性が高くなる、 3) 体調の悪いときは中止する、4) 暑さに慣れ、発汗作用が十分行えるように暑熱訓化をする。 5) 夏期は発汗性のよいウエアを選び、炎天下では必ず帽子を着用する。

 

4)ランニング障害の原因と予防
 整形外科的なランニング障害は腰痛が圧倒的に多く、次いで変形性膝関節症、腸脛靭帯炎、足底筋膜炎などが多い。その原因は大きく分けて、1)技術的要因2)身体的要因3)環境的要因の三つが考えられる。

 

○技術的要因
 1) 走法(リラックスしてリズミカルに走る)、 2) 速度(下肢への衝撃は速度の二乗に比例し、速く走るほど障害が多くなる)、3) 走行距離(月間走行距離が200kmを超えると障害が増加しやすい)。

 

身体的要因
 1) 年齢(男子40歳、女子50歳以上は要注意)、 2) 心疾患(安静時心電図に異常があれば、負荷心電図が必要)、 3) 柔軟性(中高年は柔軟性が低下するので、十分なウオーミングアップとストレッチングが必要)、 4) 体型(肥満系の人は走りよりも、下肢に体重がかからない水泳や自転車が安全)、 5) 下肢のアラインメント(極端なO脚やX脚の人は要注意。シューズに足底支持板を入れると効果的な場合がある)。

 

○環境的要因
 1) 路面(足への衝撃が少ない芝生や土の上が理想的。道路端は傾斜しているので足を痛めやすい。下り坂は衝撃が強いので速度を落とす)、 2) シューズ(ソールが厚くクッション性のよい靴を選ぶ。かかとがしっかり収まり、足先に1cmほど余裕のある靴が望ましい。ソールがすり減ったシューズも故障の原因になる)、 3) ウエア(高温・多湿な夏期は発汗性のよいウエアを選び、必ず帽子を着用する。冬期は保温性のよいウエアを重ね着し、手袋を着用する)、 4) 気象条件(夏期は熱中症の危険が高いので、朝夕の涼しい時間帯に走る。気温が30度以上では中止するのが賢明)、 5) 交通事故歩行中の自動車事故は年間約1800人。夜間の走行時はライトを持つか、靴やシャツに反射シールをつける。車が後ろから来る場合は危険なので、車と対面する側の歩道を走る)。    
(2009.07.11)


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「ランニングと健康」 (要旨)

 

平成14年に始まった徳島大学大学開放実践センターの「ホノルルマラソンを走ろう!」の講座が大変な人気となり、今年で8年目を迎えました。私も最初の3年間は講義を担当し、その後の4年間は県の役職の関係で講座を離れていましたが、今年からまた復帰させていただきました。

 

その年度の受講生だけでなく、卒業生がTJP(徳島大学ジョギングパラダイス)を組織して活発な活動をしていますので、「とくしまマラソン」の開催も相まって、この数年間で徳島でも走りの人口が急速に増えている感じがします。右下にリンクした「徳島大学ホノルルマラソン講座」で、活動の概要をご覧いただけます。

 

私の担当は、ランニングのメリット(良い面)とデメリット(危険な面)についての講義ですが、6月6日に先ずランニングが身体に与える良い効果について話をしました。当日都合で欠席された方もおられると思いますので、その要旨を掲載させていただきます。次回は7月11日に「危険防止のための基礎知識」の講義を予定しています。

 

 


 


Honolulu Marathon 2009 「ランニングと健康」 講義要旨


                                                      
1) 病気の原因と予防法 
   私たちの健康は大きく分けて三つの要素で左右されます。一つは両親から受け継いだ遺伝素質、二つ目はこれまで私たちが生きてきた社会環境、生活習慣、食生活、ストレスなどの環境因子、三つ目が加齢にともなう体力の低下、つまり老化現象です。
  残念なことに、人間の体力は20歳前後を頂点として次第に下降線をたどり、40歳を過ぎる頃から足腰の衰えとともに徐々に動脈硬化が進行し、癌・脳血管疾患・心臓病などの、いわゆる三大成人病や高血圧・糖尿病が増加します。こうした成人病のほとんどは、癌を除けば血管の動脈硬化が原因ですので、結局は癌の早期発見と動脈硬化の進行を抑えることが、成人病を予防し長寿社会を健康に生きるためのかなめと言えます。
  動脈硬化を進行させる最大の危険因子は高脂血症・高血圧・糖尿病ですが、その多くは現代の車社会を反映した運動不足病とも言われ、摂取エネルギーに比べて消費エネルギーが少ないために肥満気味になり、余分な脂肪が身体にたまるのが原因です。肥満が原因で腹囲が男性が85cm以上、女子が90cm以上になり、高脂血症・高血圧症・糖尿病のどれか二つ以上を合併した状態がメタボリック症候群と呼ばれています。 
   また、ガンも65%は食物とタバコが原因と言われています。つまり、ガンも動脈硬化も生活習慣が大きく関わっています。

 

2) 成人病から生活習慣病へ
 高血圧・糖尿病・心臓病・ガンなどは加齢に伴って発生する仕方のない病気だと考えられ、今まで「成人病」と呼ばれていました。しかし、よく調べてみますと、いわゆる成人病と呼ばれる病気のほとんどが子供時代からの社会環境の影響や生活習慣の積み重ねで発症することが分かりましたので、平成8年頃から「成人病」を「生活習慣病」と呼ぶようになりました。これは単に呼び方を変えただけでなく、自分の健康は自分で守らなければいけないという、発想の転換を求めた点で大きな意味があります。

 

3) 老化とは
  老化とは文字どうり、加齢に伴う体力の衰えで、動物も植物もすべて生きるものの宿命です。老化現象自体は病気ではありませんが、健康を維持する能力を低下させます。

 

4) 老化はどこから始まるか
   先ず足腰の筋力の衰えから始まり、同時に血管の動脈硬化が進行して、やがて脳の働きも低下します。
  老化現象は、20歳ごろから始まり徐々に進行します。脳細胞も生まれた時点で数が決まっており、年とともに減少します。しかし、頭を使えば脳細胞を結ぶ神経回路がパソコンのネットワークのように縦横に増えて頭の回転がよくなります。碁や将棋、俳句や短歌をしている人はボケないといわれのは頭を使うからです。また、脳に限らず人間の身体は使わなければ次第に退化し、使えば発達します。寝たきりになる一番の原因は脳卒中による片麻痺ですが、二番目が転倒による脚の付け根あたりの骨折です(大腿骨頸部骨折)。

 

5) 老化を抑え体力を保つには
  残念ながら老化を止めることはできませんが、少しでも老化の進行を遅らせて若さを保つことは可能です。そのためには、1)適当な運動で足腰を鍛え、筋力と骨の強さを保つようにする。2)動脈硬化を促進する危険因子(高脂血症・高血圧・糖尿病)などを減らすようにする。3)仕事や趣味で多角的に頭を使いボケないようにする、ことが大切です。

 

6) 健康づくりのためには
   結論として、元気に長寿社会を生き抜くためには、以下の3点が大切です。
1)健康的なライフスタイルを心がける(食生活、生活習慣、ストレスなど)、2)臨床医学面から、定期的に健康管理をする(人間ドック、定期検診など)、3)定期的な運動で老化の進行を抑える(歩行、水泳、ジョギングなど)。

 

7) 私の場合
  私も日頃の運動不足を痛感して、昭和60年1月(46歳10ヶ月)からジョギングを始めて24年目を迎え、最初の10年間は1日平均5~6kmほど走りました。数多い運動種目の中から特にジョギングを選んだのは、いつでも・どこでも・一人でもでき、走ることはすべての運動の基本であると考えたからです。
  当初はすぐに息切れがしてわずか300mしか走れませんでしたが、7ヶ月で10km、1年目に20kmと距離が延びて2年3ヶ月目(49歳)に初めてフルマラソンを3時間45分13秒で完走、その後も10年間は毎年ほぼ同タイムで走りました。そして58歳の時に四万十川100kmマラソンを13時間44分で完走することができ、体力と持久力は大幅に増加しました。

 

8) 運動の効果
  最初の10年間に記録していた健康診断の結果を調べてみますと、体重の適正化、高脂血症の改善、心肺機能の強化、心拍数や血圧の低下など、動脈硬化の進行を抑えるような医学的効果もみられました。つまり、運動未経験者が中年以降からジョギングを始めても身体には適応能力があり、運動効果は十分に期待できます。
  とは言え、ランニング(走り)はウオーキング(歩き)に比べて単位時間の運動効果は大きいのですが、足腰や心臓に対する負担は大きくなりますので、中高年者がいきなり無理な運動をしますと、時には心臓発作など思わぬ事故につながることがあります。40歳を過ぎますと、心臓病や高血圧などの生活習慣病をもっている人が少なくありませんので、これから走りを始める人は予め心電図や血圧の検査を受けて下さい。

 

9)運動の基本
 運動の基本は先ず歩くことです。脚力がつけば徐々に走りを交えて下さい。ゆっくりしたペースで週に3日以上、できれば毎日走るのが理想的ですが、高齢者の方は週1~2日でも効果があります。大切なことは決して無理をしないこと、そして定期的に心電図や血圧、貧血などのメディカルチェックを受けながら根気よく続けることです。 
(2009.06.06)

 

 

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46歳からジョギングを始めて今年で31年になりますが、走りの途中で見かける野鳥に興味を持ち、平成16年3月から野鳥撮影を始めました。マラソンや水泳の話も時には挟みながら、徳島で見かける野鳥を中心に掲載させていただきます。
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