四万十川100kmマラソン(後編)

 

10. 大会翌日
翌日目がさめてベッドから下りると、足のグリコーゲンが枯渇している感じで、まるで力が入らない。筋肉痛はそれほどでもないが、足の感覚が鈍くなっているので階段を歩いて下りるのは危なっかしい感じがした。

 

朝食を済ませ、午前8時頃にJR中村駅を出発。午後1時過ぎには自宅に到着し、午後からの仕事も無事に済ませた。

 

 

11.走行距離と筋肉疲労度
歩行時には片足に自分の体重がかかるだけであるが、ランニング時には速度の二乗に比例して足への衝撃が増す。つまり、私のように8分ペースでゆっくり走っても片足に体重のおよそ2倍(130kg)以上の衝撃が加わることになる。当然ながら、距離が長くなるほど下肢へのダメージは大きくなることが予想される。

 

血液中のミオグロビン(Mb)という成分を測定すると、筋肉のダメージを知ることができるので、10 kmから100 kmまでの筋肉疲労度を比較してみた。

 

走る前のMbと走った直後の数値を比較すると、10 kmでは1.1倍、21 kmでも3.6倍程度で疲労度は軽いが、30 kmになると14.5倍、フルマラソンでは33.4倍と急激に筋肉疲労度が増す。

 

100 kmマラソンの場合は、さぞかしフルマラソンの2倍以上の疲労度ではないかと思っていたが、意外なことに100 kmマラソンのMbの倍率は27.2倍で、フルマラソンよりも20%ほど低い結果が出た。

 

つまり、長距離走時の筋肉疲労度は、距離よりも速度(足への衝撃)と休憩の有無(疲労の回復)が大きく影響するものと思われる。足の筋肉疲労度から見れば、中年以降からでも100 kmマラソンは無茶な競技ではないようである。

 

 

12.100kmマラソンのカロリー計算
詳しい説明は省略するが、私が100 km走ると計算上は5,000 kcalのエネルギーが必要である。ところが、私の体内に蓄えられているグリコーゲン量と当日の摂取カロリーをすべて加えても3,200 kcalにしかならなかった。つまり、残りの1,800 kcalは体脂肪を燃やして走ったことになる。

 

私の体脂肪率は約16%、体重が63kgなので体脂肪は約10 kgある。脂肪1g=9 kcalの熱量として計算すると、10,000g×9 kcal=90,000 kcalの蓄えがあるので、何も食べずに1日2,000 kcal消費しても、エネルギーだけを考えれば45日間は生きられる計算になる。

 

脂肪が多いと肥満になるので、脂肪は動脈硬化の危険因子として邪魔者扱いされているが、いざ遭難した時や災害時には、水さえあれば肥満系の人の方が長生きしそうである。

 

 

13.100kmマラソンの練習法
四万十川100 kmマラソンは距離が長いうえにスタート時間が早く、途中に山登りがあるので、普通のフルマラソンとは違った練習が必要になる。

 

1)ゆっくり長く走る練習
100 kmマラソンは持久走なので、無理して速く走る必要はない。マイペースで休憩を挟みながら、5~6時間は走ったり歩いたりする練習が大切。

 

2)食べながら走る練習
普通のランニングやジョギングは食後1時間以上たって、胃の内容物が消化されてから走るのが常識であるが、100 kmの場合は途中で栄養補給をしなければガス欠になる。食べながら走ると、胃が振動して嘔吐をする場合があるので、食べながら走る練習も必要。

 

3)朝早く起きる練習
スタートが午前5時30分なので、朝食後の余裕を考えると朝3時には起きる必要がある。そこで、レース1週間前から目覚まし時計をかけて3時に起きる練習をしたが、不思議なことに4日目頃から目覚まし時計が鳴る前に目が覚めるようになった。

 

4)山登りと下りの練習
四万十川100kmマラソンでは21 km地点で650m、52 km地点にも200mほどの山がある。普段のトレーニングで平地だけを走っていると、四万十の山登りは厳しい。また、登りよりも下りの衝撃で足を痛めることが多いので、登り下りを上手に走る練習も大切。そのために、眉山(280m)で八万側から西部公園を往復する練習をした。

 

 

14. レース中の携帯品
この大会は、あらかじめ62 km地点の「カヌー館」に靴や着替えなどを送ってくれる。必要ならそこで着替えができるので、わざわざリュックを背負って走る必要はない。私は念のためにシューズも一足送ってあったが、サロマ2の具合がよいのでソックスとTシャツだけ替えて走った。

 

ただ、ポシェットは腰に巻き、塩昆布梅干バンドエード消炎スプレー100円と10円硬貨を数枚、胃腸薬阿波三盆ビニールのゴミ袋入れて走った。

 

とても重宝したのは塩コンブ。塩分補給のために、給水のたびに1~2枚食べながら走った。梅干も用意したが、エイドの梅干の方がおいしかった。

 

80 km地点で少し低血糖気味になったので、道ばたの自動販売機で缶コーヒーを買った。とてもおいしくて、百円硬貨が役立った。80 kmあたりから足がケイレンしそうになった時には消炎スプレーも使い、効果的であった。

 

阿波三盆は口の中ですぐに溶けるので、糖分の補給と気分転換に重宝したが、念のために持参した胃腸薬は使う必要がなかった。

 

ビニール袋は小さくて軽いので、持参する方が賢明である。ゴミ袋の底と両端をくり抜いて頭と腕が出るようにしておく。今回は使はなかったが、1994年の福知山マラソンで途中から雨になり、カッパ代わりに役立った。早朝や夜など寒い時は、防寒具にもなる。

 

 

15.  おわりに
数日後の徳島新聞に、「中高年夫妻が100kmマラソン完走」と題して、馬と鹿が完走証を持った写真入りの記事が掲載された。

 

いささか恥ずかしい思いをしたが、 「あの二人が走れるのなら・・・」と、その後は徳島から100 kmマラソンへの参加者が増えている。僅か1回だけのウルトラ経験であるが、私たちの完走が多少は刺激になったのかも知れない。

 

それはともかくとして、頭の痛いことが二つある。家内から「100 kmにしておいてよかったでしょ」と言われることと、○○は奥さんより遅い」という噂が一挙に広まったことである。

 

                                  ( The End )

テーマ : マラソン
ジャンル : スポーツ

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参考になりました

22才まで走り、それから17年ぶりに復活ランしたのが39才
小生は来年明けで44才となり春には復活ラン5年を迎えます

これを機に北海道サロマ100k走ってみようかなと思い、只今管理人様の「実際」を拝見させて頂き、勉強させてもらいました

ありがとうございました


No title

羅暮さん

私は47歳から走り始めて、四万十川100kmマラソンを走ったのは
58歳の時でしたので、羅暮さんなら悠々と走れると思います。

1回だけの経験ですが、何らかのご参考になれば幸いです。

本日「実線想定」です

先ず、「就活」

私の「マイナス面」だけ売り込む作戦にでました

結果、成功です


「ラン活」

本日「実戦想定」です

地元釧路マラソンクラブの38kラン+その後お楽しみ♪
スローペース一定に保つ事がほぼ出来てきたので、、、

今までの10000m主体の走りから「卒業」する為の大規模な練習となりそうです

この記事改めて参考にさせてもらいました^^

No title

羅暮さん


「就活」成功とのことで、良かったですね。

今度は、「ラン活」頑張って下さい。
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